「病歴・就労状況等申立書」は、申請者ご本人(またはご家族)が、発病から現在までの経過や日常生活・就労の状況を自分の言葉で説明する書類です。診断書が医師の視点からの記録であるのに対し、こちらは本人の生活実感を伝える重要な役割を持っています。書き方のポイントを整理します。
1.基本的な構成を理解する
様式は、発病から現在までの期間をいくつかの区切り(おおむね受診した医療機関ごと、または期間ごと)に分けて記入する形になっています。それぞれの区切りについて、「発病・受診のきっかけ」「その時期の症状や治療の経過」「日常生活の状況」「就労の状況」などを記載していく構成が一般的です。
2.時系列に沿って具体的に書く
最初の区切りでは、いつ頃、どのようなきっかけで症状に気づき、どの医療機関を受診したのかを記載します。その後の区切りでは、転院や症状の変化、入退院の経緯などを時系列で整理して書いていきます。記憶があいまいな部分は、お薬手帳や診察券、家族の記録などを参考にしながら、できる限り正確な時期を埋めていくとよいでしょう。
3.「具体的な事実」を書くことを意識する
抽象的な感想ではなく、具体的な事実やエピソードを書くことが重要だとされています。たとえば、「体調が悪い」ではなく「週に3日は起き上がれず仕事を休んだ」、「対人関係が苦手」ではなく「職場の人と話すと動悸がして退席することがある」というように、頻度や場面を伴った記述にすると、審査する側に実態が伝わりやすくなります。
4.日常生活と就労の両面を漏れなく書く
日常生活については、食事、入浴、着替え、外出、金銭管理、対人関係など、項目ごとにどの程度自分でできているか、できていないかを書きます。就労については、仕事の内容、勤務日数や時間、休職や転職の経緯、職場でどのような配慮を受けているか(あるいは受けられず困っているか)などを具体的に記載します。専業主婦・主夫の方や学生の方の場合は、家事や学業の状況に置き換えて書くとよいとされています。
5.診断書との整合性を確認する
申立書の内容と医師の診断書の内容に大きな食い違いがあると、審査で疑問視される可能性があります。書く前に、医師にどのような内容を伝えたかを思い出しながら、症状の経過や生活の困りごとについて大きな矛盾が生じないように整理しておくとよいでしょう。
第三者の視点を借りるのも一つの方法で、ご本人だけで書こうとすると、症状による影響で記憶や説明が難しい場合もあります。ご家族や支援者に協力してもらいながら、一緒に振り返って書いていくケースも多いようです。
6.専門家のサポートも選択肢に
申立書は自由度が高い分、「何をどこまで、どう書けばよいか」で悩む方も少なくありません。書き方に不安がある場合は、社会保険労務士のサポートを受けながら作成する方法もあります。
まとめると、申立書は「時系列に沿って」「具体的な事実やエピソードを使って」「日常生活と就労の両面から」「診断書と矛盾なく」書くことが基本になります。